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相手には伝わっていない

相手に伝わらない

「競合と同じ商品を売っているから
価格を下げないと他社に負けるかも」、
「営業利益を削ってでも、この案件は取りに行くぞ!」

これは以前に私がIT会社に勤めて営業職を23年携わりましたが、
その前半の10年ぐらいが、この営業スタイルでした。

商談の度に、このように気合を入れて
顧客との交渉やプレゼンをやっていました。
と同時に常に抱える悩みもありました。

この業界は、大手メーカーやメーカー系ベンダー、
そして小規模のソフト開発会社など競合する会社は数多くあります。

競合するのは当たり前

競合する場合、少なくても3~5社。

「うちは見積を取るときは、必ず数社から取りなさいと
上から言われているんで。」という担当者。
担当者の立場も理解はできるのですが、
ある商談では10社以上の競合他社がいたときにはビックリしましたが、、、。

信頼されていると思っている既存客でも
4割は相見積もりでしたので新規客ともなれば、
99%は相見積もりです。

逆に当社だけで見積を提示し
商談を進めることは滅多にありません。
既存客からや親会社からの紹介で、
新規客の商談になるケースもありますが、
それでも7割が相見積もりでした。

商談となると、その度に競合相手の出方を探ったり、
お客様の様子はどうなっているとか
他社が価格をいくらで出そうとしているから、
当社はそれよりも下げて出そうとか
当時はそういったことばかりを気にしていたのです。

そして価格競争になってしまい、その結果
薄利や、原価割れっていうこともありました。
それが営業としての悩みの種でもあったわけです。

やはり同等の商品だと価格勝負になってしまうのは必至です。

ここでいう同等の商品というのは、
売り手目線ではなく買い手目線での話です。

価格勝負に陥るな

要は売り込もうとする商品やサービスの
機能的な部分や操作性などが、他社の商品と同等であると
買い手が感じていることに問題があります。

いくら売り手が他社の商品と、「ここが違う」とか、
「この機能が他社にはないはず」と思っていても
買い手がそれを理解していないとしたらどうでしょうか?。

それは結局同等の商品扱いをされてしまうということになるわけです。

今でこそ当たり前のことではあるんですが
当時は、とにかく受注することだけに注力しすぎて
お客様中心の考えが低かったこと。

そして、しっかりとお客様のニーズやウォンツの部分を
リサーチしていなかったことです。

さらに言えば、自社商品をしっかり把握して
自社の商品に惚れ込んでいなかったということも言えるでしょう。

「あれだけ説明したのに、ちっとも分かってくれない」と
お客様のせいにして、自分は頑張っていると錯覚し、
さらにそれを正当化しています。

私がまだ30代の時で、若かったと言ってしまえばそれまでですが
営業として、やりがちな失敗例と言うことになります。

買い手目線で考えろ

競合他社の情報も必要ですが、
まずはしっかりとお客さまと向き合って、何を必要としているか
どんなことを欲しがっているかをしっかりとリサーチする。
そうすることで、お客さまとのコミュニケーションも深まり信頼感も生まれてきます。

他社商品やサービスの違いをしっかり伝えることと、
リサーチした内容を基に提案する商品やサービスで、
お客さまが手にするベネフィットを十分に伝えることが重要となります。
そうすることで、価格だけの勝負にはなりにくいのです。

ここが不完全であると、お客さまはどの商品を見ても
同じ商品としか映らないのです。
そうなると、他社との差別化ができていない商品となり
価格だけの勝負に陥ってしまうわけです。

人は話しを聞いていません。
話し言葉の大事な部分をすっ飛ばしている場合があります。

セールストークの仕方にもよりますが、
100%相手には伝わっていないことを前提に考えておかなければ
結果が出た後で気が付いても、時すでに遅しです。

売り手は、ちゃんと話して相手に伝えたと思っていても
伝わっていないことが多いのです。

お客さまは、読まない・聞かない・信じない、そして行動しない。

これを常に頭に入れておくことが、セールスとしては大事となります。

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