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商品志向とマーケティング志向

ハンバーガー




語り継がれる逸話には、いつの時代にも変わらない価値があります。

これは今は亡き、天才的なコピーライターと言われた男
ゲイリーハルバートが残した言葉です。

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ゲイリー・ハルバートのセミナーでの話だ。

セミナーの最中、ゲイリーは参加者にこんな質問をした。

「もし、僕と君たちがハンバーガー屋を始めたとする。
それで、誰が一番売れるか競争したとする。

そしたら、君たちは、その競争に勝つためにどんな”条件”が欲しい?」

答えはバラバラだった・・・

「隠し味に使う秘密のソースが欲しい」
「最高のハンバーガーを作るために最高の牛肉が必要だ」などなど、
中には、「最高の場所」と言った者もいた。

あるいは、最も低価格で売りたいと言うものもいた。

ゲイリーはこう答えた。

「いいでしょう。君たちにその条件を全部あげましょう。
全部の有利な条件を君たちにあげたところで、
僕はたった一つだけでいいから欲しいものがあります。
それさえあれば、僕は君たち全員との販売競争から脱出する事ができる」

「一体、それは何が欲しいというんだ?」聴衆は聞いた

「僕がたった一つだけ欲しいもの、それは・・・」ゲイリーは答える。







「・・・腹を空かせた群衆だよ!」

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この会話について、あなたはどのように思われたでしょうか。

いわゆる「商品志向」と「マーケティング志向」の違いです。

商品が売れないと、どうしても「商品が悪い」と思ってしまい、
商品改善に意識が向いてしまいます。

また、他社の売れている商品を見て
「あんな品質の悪いもが、なぜ売れるんだ」
「あの商品にいったいどんな魅力があるというんだ」
「他社の売れている商品と当社の商品とで
いったいどこが違うというんだ」などと思ってしまいます。

もちろんですが、商品が重要だということには違いありませんが、
でも、多くの人はこのような「商品志向」に極端に偏っています。

ここでは「商品」を何とかしようと思いがちなのですが
そうではなく「売り方」、すなわち「マーケティング」の方に
意識を向ける必要があります。

理由は以下の通りです。

1.商品が「いい」というのは大前提

それを「売りたい」「商売にしたい」と思っている以上、
その商品がある程度「いい」というのは
大前提の話だという暗黙の了解があるからです。

少なくとも、その商品がマーケティングするほどの価値があり
品質も自信が持てるほどのレベルであることは大前提でしょう。

ダメなものを広めたところでリピートにつながらず、
ビジネスはとうてい成り立ちません。

それに、そもそも自分では
「いい」と思っているから売ろうとしているわけですから。
しかし、これはあくまでも売り手目線ということを忘れてはいけません。

2.商品が売れなければ、良いも悪いも分からない

お客さんがいない、あるいは少ないのに、
その商品がいいか悪いか、わからないからです。
だから売ってみて、マーケティングしてみて
そのフィードバックを受けて判断する必要があるわけです。

もし売ってみて、マーケティングするほどの
レベル「でない」ことが分かったなら
その商品を急いで改良すればいいだけの話です。

その時には丁寧にお客さまに頭を下げ、
急いでそして真摯に商品改善に努めましょう。

そして・・・

3.誰にとっての品質かがわからなければ、いいも悪いもないから

高性能で高級な車は、住宅街の細い道を通って
近所のスーパーに通いたい主婦にとっては不必要な性能です。

つまり、品質や、品質の善し悪しというのは、
誰が顧客なのか?によって全く違うというわけです。

だからマーケティングして顧客を集めなければ
どの方向に商品を「改善」したらいいかわからないはずなのです。

例えば、パソコンで使われているWindowsOSです。
世の中に数多く売られています。

そして、利用者からのバグや改善の内容が、
これまた数多くマイクロソフト社に報告されています。

要するに、完全ではない商品を販売し、
消費者に評価させ商品を育て消費者の欲しがるものに近づける。
WindowsOSのアップデートは、そのためにあります。

人が欲しがっているものを探して、それを売る

ビジネスにおいて最も大事な成功法則。

それは、人が欲しがっているものを探して、それを売るということ。
であれば、どんな商品なら、どんな切り口なら、どんな訴求なら、
どんなベネフィットならお客はお金を払うのか?
それをまず売ってみて見極めることが重要です。

そして売れる売り方がわかったら、売れる売り方ができるように、
商品を急いでカスタマイズする、ということが重要になります。

・腹を空かせた群衆はどこにいるのか?
・彼らに何と声をかければ彼らはお金を払うのか???

マーケティング志向とはこのことです。

つまり、80%ほどのレベルの商品をまずは売る。とにかく売ることが大事です。

商品中心にならず、売り方中心になること。
そして、世の中の欲しいと思われるものに近づけていく。
これが、大変重要になっていきます。

決して、
自宅にこもって一人でせっせと「何か」を作り、
お金をかけて満を持してから誰か買ってくれる人を探す。

なんてことにはならないように、気を付けなければなりません。

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